こんにちは!うちやま ( @s_uchiyama_1 ) です。
今回のテーマは
対数の性質(3)底の変換
です!
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授業
はじめに
対数の性質の第3回では、性質6 ( 底の変換公式 ) を紹介します。
前回の「対数の性質 (2) 」で、対数の足し算と引き算を学びました。そのときに注意すべきことは
足し算・引き算ができるのは、底が同じであるとき
ということでした。
今回の性質を学ぶと、底を自分の好きなものに変えることができます。これでまた、計算できるものが増えますね!
ということで今回の目標はコチラです。
それでは、始めましょう!
性質6
性質6:\( \displaystyle \log_{a}{b} = \frac{\log_{c}{b}}{\log_{c}{a}} \)
ただし、\( a , b , c \) は底と真数の条件を満たす。
( つまり、\( a>0 , a \ne 1 , b>0 , b \ne 1 , c>0 , c \ne 1 \) )
性質6は一見すると何を言っているのかよくわからないかもしれませんが、底に注目するとその性質が見えてきます。
\( \displaystyle \log_{a}{b} = \frac{\log_{c}{b}}{\log_{c}{a}} \)
という式をよく見てみると
左辺の底は \(a\)、右辺の底は分母・分子ともに \(c\)
となっています。
さらに、\( c \) は \(a\) や \(b\) に無関係な数 ( つまり、\(a , b \) がこの値のとき \(c\) はこの値にしなければならない、ということが無い ) ですので、この性質は
底を自分の好きなものに変えることができる
ということをいっているのです ( そのため「底の変換公式」と呼ばれることもあります ) 。結果は分数になってしまいますが、自分の好きなように底を変えられるのは非常に魅力的ですね。
例えば
・\( \log_{4}{3} \)
\( \displaystyle = \frac{\log_{2}{3}}{\log_{2}{4} } \)
\( \displaystyle = \frac{\log_{2}{3}}{2}\)
\( \displaystyle = \frac{1}{2} \log_{2}{3} \)
⇒ 底を \(4\) から \(2\) に変換した
・\( \log_{2}{3} \)
\( \displaystyle = \frac{\log_{10}{3}}{\log_{10}{2} } \)
⇒ 底を \(2\) から \(10\) に変換した
・\( \log_{5}{7} \)
\( \displaystyle = \frac{\log_{\sqrt{2}}{7}}{\log_{\sqrt{2}}{5} } \)
⇒ 底を \(5\) から \(\sqrt{7}\) に変換した
といった感じです。
もちろん、何でもかんでも底を変えればよいというわけではなく、底を変えた結果、計算がラクになったり、その他のメリットがある場合に底を変換します ( ですので、上の \(3\) 番目の例は実用性があまりありませんね ) 。
底を変換すると
・もとの対数の底 ( \(a\) ) が分母の真数に
・もとの対数の真数 ( \(b\) ) が分子の真数に
それぞれ入ります。両方覚えると混乱するので、「もとの真数が上」などのように、どちらか片方だけ覚えておくとよいでしょう。
性質6を使った対数の計算
性質6 ( 底の変換公式 ) を使った計算の例を見てみましょう。
[例] \( \log_{2}{3} + \log_{4}{3} \) を計算せよ。
前回学んだ「対数の足し算」の問題ですが、この問題は底が違うので足し算ができません。そこで性質6 ( 底の変換公式 ) の登場です。例えば、先ほどのように \( \log_{4}{3} \) の底を \( 2 \) に変えてみると
\( \displaystyle \log_{4}{3} = \frac{\log_{2}{3}}{\log_{2}{4} } = \frac{1}{2} \log_{2}{3} \)
となりますので
のように計算することができます。
授業はここまでです!
それでは、例題を解いていきましょう。
例題
解答
解説
◇ (4) は対数のかけ算です。かけ算は底をそろえて約分するしか方法がありません。両方の底を別の1つの底にそろえても構いませんが、解答のようにどちらかの底に合わせると計算がラクにできます。
今回はここまで!
おつかれさまでした!
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